先日ぶりです。Cat-Botで設計を担当していましたsakai Cat-Botです。

RoboCupJunior2019に選手、運営として参加された皆さん本当にお疲れさまでした。

大会が終わってから長時間経過してしまうと「今年の大会もとても楽しかったです。」なんて感想しか出てこなくなるかもしれないので早いうちに今年の大会についての感想をつらつら書くことにしました。

RoboCupJunior2019

まず、優勝したRi-one Nanoさん。本当におめでとうございます。
今年の大会ではRi-one Nanoさん、そして、CIAO Tezukayamaさんのロボットの動きのレベルが群を抜いて高いように感じました。
去年のサッカーオープンでは、オレンジボールを追いかけることに対応しきれているチームが少なく、オレンジボールを追いかけていればある程度の順位まで登れるような大会だったと記憶しています。
今年のジャパンオープンではどのチームもオレンジボールを追いかけるのは流石に当たり前だと思っていましたが、数多くのチームがドリブラーを付けて、しっかりとドリブルができている、しかもダブルドリブラーのチームも何チームかいて、RoboCupJuniorSoccer全体のレベルが高いものとなってきましたJuniorとは?)
また、Twitter上でアイコンしか知らない人と顔を合わせ実際にロボットについてお話したり、他チームのロボットから自分の設計に足りないところ、及ばなかった思想を発見できてとても有意義な交流ができました。そして、審判の方とロボットだけではなく、今のロボカップに欠けているルールの穴、運営側の考えと、選手側の心配についてお話しすることが出来たのは結構楽しかったです。

そして、チーム内で何度か話になったのが、ドリブラー、メカナム、ウレタン、ラインセンサーの配置などCat-Botの去年の機体を参考にしてくれているチームが少なからずいたということです。直接お話しした選手や、TwitterのDMで質問をくれた選手も、自分らが良いと思って開発してきた技術を吸収し、それに各チームの技術を加えて設計されたロボットを見て、自分たちが開発、解説してきたことの達成感や喜びを感じることが出来ました。
海外の選手の方々からも、Cat-Botの技術、設計データをまねて作ったロボットの写真や、オフショット、応援のメッセージが送られてきて、今まで自分たちがやってきたことは様々な人に受け継がれていると感じることが出来た、そんなロボカップシーズンでした。

RoboCupJunior2019の機体について。
会場でお話しした選手の何名かには悔し紛れに言い訳お話ししましたが、RoboCupJunior2019に出場させた機体は、本来設計する予定のなかった機体でした。
新機体については大会会場に展示した詐欺ポスターで少し説明が書いてありましたが、回路班の協力もあり、当時の自分的にはそこそこ満足のいく機体が設計できたと思っています。

新機体の設計コンセプトは、「プログラム班を楽しませる機体を設計する」こと。
去年の機体のダブルドリブラーも、メカナムも操って見せた弊チームの優秀なプログラム班が無限に遊べるように去年のオフェンス機体から、マウスセンサーとソレノイドを1つ付け足し、自由に角度を変えられる赤外線レーザーセンサーを4つ増やしました。
自分はプログラムによるロボットの戦略の幅の絶対的な限界はハードウェアの機能の限界がもたらすものだと考えています。(例えば、機体後方でボールをつかみシュートしたくても、後ろにドリブラーが付いていないのであればできません)
なので搭載できる数の限界までセンサーや機構を積んだら、プログラム班も新たな機体の動きを研究するのが楽しいのではないかと考えました。

これだけの機構を搭載しながら、北信越ブロックの時の機体重量が回路、バッテリー込みで1900gだったので、回路をコンパクトにしてくれた回路班には本当に感謝しています。



RoboCupJuniorに参加した3年間

今年でRoboCupJunior引退なので軽く3年間を振り返ってみました。

RoboCupJunior2017
初の出場は2017年、自分の設計したロボットは、とりあえず動けばいいや程度の何の考えもなしに設計したものでした。北信越ブロック2017の結果は3位で全国大会に参加できないはずだったのですが、別ブロックで欠枠が発生し運よく全国大会に出場することが出来ました。その年は全国大会4位という結果で満足していました。

RoboCupJunior2018
先輩チームのINPUTのオリジナリティーあふれたファンを搭載した設計を見て、前年の自分がロボカップに影響を与えていない、なんの面白みも強さもない設計をしていたと気が付き、次はインパクトのあり強いロボットの設計をしたいと思い、メカナムやトップスピンキッカーを設計し実際に作りました。制御班にとって、前例の無いどう動かしたらいいのか全く分からないようなロボットを扱うのはとても大変だったと思います。しかし北信越地区大会、全国大会共に優勝できる動きを実現してくれたことに感謝しています。そして、サイドホイールを2つのサイズに分けた従来のものより円形に近いオムニホイールや、ウレタンサイドホイール、ダブルドリブラーを導入したことにより、全国大会に続いて世界大会でも多くの注目を集めることが出来ました。

RoboCupJunior2019。
設計に関していえば、不完全燃焼って感じです。大会1週間前に新機体を大会に出せないことが確定し、設計時間だけを考慮したロボットを大会に出さなければいけなくなり「妥協に妥協を重ね作ったものを大会に参加させて何の意味があるのか……」実際に出場させた機体を設計をしているときはそんなことも考えたりしました。
あの時あきらめなくて本当に良かったです。
即席機体に搭載した、回路班が去年作ってくれた回路は今でもしっかり動作して、プログラム班は突貫工事にもかかわらず攻守交替までやってくれました。そのおかげで大会時にはしっかりと試合できたし、たくさんの人とお互いのロボットについて交流できました。
設計に関してはあまり満足できませんでしたが、他チームとの交流という面で見ると3年間で一番楽しかったし有意義なやり取りができました。DCX16死にまくり事件とか

最後に……
自分はこれでNHK高専ロボコン、RoboCupJuniorともに引退したため、これから競技用のロボットを設計する機会はあまりないかもしれませんが、質問はいつでも受け付けているのでコメント欄やTwitterで待機しています。今日から大学受験に気持ちを切り替えて頑張っていこうかなと。(世界大会に呼ばれたらロボットも頑張りますが)

今までノウハウを教えてくれた先輩方、情報交換をしてくれた皆さん、Cat-Botの技術に興味を持ってくれた皆さん本当にありがとうございました。引率の先生含めこれからは自分も後輩にノウハウを伝えていこうと思います。長岡高専には4-axisのメンバー含め、優秀な後輩たちが大勢います。来年も長岡高専から優秀なエージェントが和歌山に向けて放たれるかと思いますので覚悟しておいてください。


機体の各パーツについての解説ブログは受験などが落ち着いてから書こうと思います。


それではまたTwitterで会いましょう。