お久しぶりですCat-Botの酒井(@Youtsakai)です。

今回のブログは、サイクロイド減速機のRoboCupJuniorSoccerへの導入についてなのですが、残念ながら実際に導入することが難しくなったので、こんな計画をしていたという内容の記事となります。
(以降RoboCupJuniorSoccerをRCJSと書きます。)


皆さん、「RCJSは押し合いがあるからトルクがあったほうが強いんじゃない?」とか、「スピードのある機体で素早くボールを保持したほうが強いんじゃない?」などと機体設計やモーター選定のたびにとても悩んでいると思います。

RCJSに必要なのはトルクかスピードか?

とりあえずCat-Botは「足回りのトルクとスピードの両立」を目標としました。
僕達が目指す「トルクとスピードの両立」とは、トルクもスピードも他のチームより高いということです。
しかし、いろいろなモーター(+ギアヘッド)を調べたところRCJSに導入されていないレベルの強いモーターは寸法的に機体に組み込めない、もしくは高価すぎて手に入らないものばかりでした。
そこで、取り付けるギアヘッドを小さくすれば強いモーターを搭載できるのではないかと考えました。

上記の理由から導入を試みていたのが拾壱・ビッグストーン社の超小型サイクロイド減速機です。
サイクロイド減速機を設計、製作している拾壱・ビッグストーン社代表の大石克輝さんから、試験用の超小型サイクロイド減速機を提供していただき、他を圧倒するトルクとスピードの両立をするロボットを完成させるというのが今回の計画の目標でした。

しかし残念ながら1ヶ月半ほど前、我がチームの回路屋が日本のルールでのバッテリー制限を考えると馬鹿みたいに強いモーターは機体に取り付けることが難しいと結論を出し、サイクロイド減速機を導入する計画を断念することになりました。じゃあ日本で使える最高峰の馬鹿力モーターにサイクロイド減速比を取り付けよう!!と考えて、新しくモーターを選定し直したのですが、とても手が出せないような高価な値段であったり、サイクロイド減速機を導入すると既製品ギアヘッドよりスペースを使うことになるなどといった理由で断念せざるを得ませんでした。

しかし、超小型サイクロイド減速機導入計画なんて面白そうなものを公開しないで寝かせておくなんてもったいない事できないため大急ぎでブログを書きました。

これから簡単に今まで計画してきたサイクロイド減速機について書いていこうと思います。

まず”サイクロイド減速機”を知らない人もいると思うので、拾壱・ビッグストーン社様からブログ用に頂いたPDFの画像を載せます。

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簡単にサイクロイド減速機のメリットとデメリットを上げていきます。
<メリット>
・省スペースで高減速が可能
・歯車が滑らかな曲線のため一般的なインボリュートギアに比べて壊れにくい。
<デメリット>
・高価

と、自分が簡単に思い浮かぶのはこれくらいです。

しかし住友重機械工業株式会社さんなどで販売されているサイクロ減速機は、たしかに省スペースなもののRCJSに導入できるレベルの大きさではありません。そこで現在、拾壱・ビッグストーン社が研究・開発しているRCJSの機体にも収まるような大きさと重さ、そして低価格のサイクロイド減速機を導入してみようという計画を練りました。



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 拾壱・ビッグストーン社製サイクロイド減速機と1円玉のサイズ比較

上の写真だけでこの減速機がいかに小さいかは確認していただけたかと思います

そして今年僕達が導入を目指していたサイクロイド減速機のCADデータの画像です。
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サイクロイド減速機+maxonDCX26ユニット

今回導入しようとしていたサイクロイド減速機は、厚さが11mm、径が31mmと超小型の寸法で減速比は10~20:1を想定していました。

最後に、今回の僕たちのRCJラグビー化計画で試験用サイクロイド減速機を提供してくれた大石さん、本当にありがとうございます。今年もしっかり競技名に沿ってサッカーしようと思います。
拾壱・ビッグストーン社製のサイクロイド減速機本当にすごいと思うので興味がある方は、下記のホームページを是非のぞいてみてください。

拾壱・ビッグストーン 代表 大石 克輝
会社ホームページ:http://11bigstone.com/


今回はこれで終わります。
日本大会には拾壱・ビッグストーン社製サイクロイド減速機を持って行こうと思います。

とは言っても、まだRCJの機体設計すら始められていないので、日本大会に出場できるようにこれから全力で取り組んでいきます。